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neoコーキョー02緑試し読み:『朝から晩まで下町の定食屋で働く実直店長』

2022-06-04

RRMさん

辻本達也

 

背景があくまで重視

辻󠄀本 みてもいいですか?

RM もちろん。

辻󠄀本 あ、変わってる! 前は松本大洋じゃなかった?

RM あ、そうそうそうそう。けっこう定期的に変えるから。

辻󠄀本 変えるんだ。

RM そう。

辻󠄀本 Mくんは背景をけっこう定期的に変えるんだね。

RM そう。

辻󠄀本 前からけっこうあれだよね。一ページ目は少ないよね。

RM 一ページ目は少ないですね。

辻󠄀本 いまアプリ三個しかないもんね。これはなんですか? 背景は。

RM これは背景は、いつもぼくは……えっと、いつからか忘れたけど、ピンタレストを知ってからホーム画面をピンタレストで定期的に選ぶようになって。

辻󠄀本 ピンタレストってきいたことあるけど、あれはどういうサービスなの?

RM あれはなんなんでしょうね。うたい文句としては、「日々にアイデアを」みたいなやつで、それこそインテリアの参考にしたりとか、料理のレシピが載ってるときもあるし、クリエイターがデザインの参考にしたりとか。

辻󠄀本 あれは、フォローとかはあるの?たとえばMくんが誰かをフォローして、そういう人は投稿ができるの?

RM 投稿者は自分がデザインしたものを投稿するとか。

辻󠄀本 それが基本なんだ。

RM アイデアを提供する人の投稿を見て、自分の部屋にかけてあるコルクボードみたいなイメージで、好きなイメージをピン留めしていく。

辻󠄀本 あとからそのピン留めを見て、ああおれこういうのが好きなんだ、みたいな。

RM そうそうそうそう。それで、ある絵に関連した絵みたいのが出てくるから、永遠に見れるんですよ。

辻󠄀本 これがいいなと思ったらそれに似た柄だったり、ジャンルだったりするものが横に並ぶんだ。

RM 松本大洋の画像を出したら、その関連の画像が全部出てくる。いろんな作品の松本大洋。

辻󠄀本 で、そのピンタレストでホーム画面の背景を選んでるわけね?

RM そう。だいたい季節によって変えてます。

辻󠄀本 そうなんだ。じゃあ三ヶ月に一回くらい。

RM そうそう。気温が変わったり、寒くなったりとかすると、ちょっと温度が下がったような背景になったりとか。

 

ガラケーの意識

辻󠄀本 おもしろいね。基本はさiPhoneってアプリを、一ページ目に並べてくれってことではあるじゃん? アップルの基本的なこととしては。

RM はいはい。

辻󠄀本 そこにたいしてさ、ここでアプリは三つにして、背景が見えたい、とする。そうしたのはいつなの?

RM そうですね。けっこう早いとおもう。ガラケーとかのときに。まだ「待受画面」と呼ばれてるころから、わりとその……携帯のカバーと同じくらい最初に出てきた画面がなにかっていうのでお互いの好き嫌いを判断するみたいなところがあったんですよ、ぼくのまわりでは。だからこう……一番最初に画面をひらいたときにそれが出て、その画面で自分をちょっと主張できるみたいな、そういうツールとして使っていたから。だからアプリ邪魔なんですよ。アプリは最初じゃなくていい。

辻󠄀本 ガラケー的な意識なのか。おれもガラケーのときは漫画の表紙とかにしてたなあ。そういえばガラケーのときってアプリってなかったねえ。

RM そうですね。

辻󠄀本 ガラケーのときは待ち受け画面からメニューボタンを押して、そこからそれぞれの機能をひらいてた。Mくんはいまもそのときの感じがあるっていうことか。

RM そうそうそうそう。スマホだけどガラケー状態に保っているというか。

辻󠄀本 ここってアプリなしにはできないの?

RM なしにはできない。でも、ちゃんとそういう「画面を大事にしたい人」用のアプリというか機能みたいのはあって、ようは、何も入ってない透明なボックスだけを充て込むというか。 でもそれけっこう手間で、スクショを撮って、それをボックスの位置で切り取ってって感じなので。欲を言えば全部なしにはしたいんだけど。

辻󠄀本 最初にひらいたときには、まっさらな背景であってほしいんだ。それは、けっこうガラケーのときが良かったなってことなの?

RM そうなのかなあ。ガラケーが良かったというより、なんかそこで主張ができるっていう

辻󠄀本 「わたしってこうですよ」っていうのが、ここでね。たしかにスマホだとガラケーよりさらにみんな本体も一緒なわけで。

RM そう。 -------------------

書籍はこちら→『neoコーキョー02 緑:アプリの地理学』

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