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neoコーキョー02赤試し読み:『ポケモンを乱獲するWEBディレクター』

2022-06-04

MMOさん

辻本達也

 

ページ毎に頭を切り替える

辻󠄀本 ホーム画面はルールみたいのありますか?

MO そうですね。画面ごとに分けてます。わたしは育児とか家庭のことをこなしているときと仕事をこなしているときで、使ってる頭が全然違うなって感じているので、一ページ目はどちらかというと「家庭」のことに絡んでいるようなアプリをまとめています。で、二ページ目が「業務」に関する、仕事上で使っているようなアプリをいれていて。で、三ページ目が……

辻󠄀本 こ、これはおもしろいですね!笑 「物欲」フォルダと「食欲」フォルダ。

MO 笑 もとは三ページ目はなかったんですよ。

辻󠄀本 あ、なかったんですね。

MO なんだけど、あまりにもここに引きずられちゃうから、これは分けようって思って、三ページ目に移動させて。

辻󠄀本 うんうんうん。

MO なんかこうストレスが溜まるとすぐ「物欲」の方を見始めるんですよ。

辻󠄀本 あ〜、いまおっしゃってた引きずられちゃうっていうのは、一ページ目にそのアプリがあると。っていうことですね?

MO そうなんですそうなんです。ひらく頻度があがっちゃうから、あえて端っこの方にアマゾンとかいれている。

辻󠄀本 これすごい良いですよね、このフォルダ名!笑

MO 食欲と物欲。なんかでもここも難しいなと思っていて、「雑多」っていうふうに書いてあるフォルダがあって、これは漫画とか本に関するアプリ、kindleとかNetflixとか入れてるんですけど、なんやかんやここが一番ひらいちゃう笑

辻󠄀本 ここなんですね。

MO でも一番でもないかな。ちょっとこう夜、勉強でもしようかなと思ったときすぐに漫画アプリをひらいちゃうので。うーん。結局だからやっぱり三ページ目にしょっちゅう行っちゃうっていう。

 

「雑多」フォルダができるまで

辻󠄀本 そうなんですね。でもたしかに「雑多」のところが一番日々更新されるものがありますもんね。これ三ページ目は名前をつけたときって「思いついた!」みたいのはあったんですか?

MO えっとね。最初は悩んでたんですよ、あの……「本と動画」みたいなフォルダにすべきか。でも、もうちょっと自分の中でそこに、ここにあるフォルダあけるときってちょっとした背徳感みたいのがあるんですよ。

辻󠄀本 笑

MO 笑 ほんとはこんなことしてる場合じゃないんだよな、って思いながらあけるから。なんかこのフォルダに対して「本」とかって書いちゃうと、ちょっとその背徳感にオブラートをかぶせるような印象になる。

辻󠄀本 たしかにたしかに。ちょっとポジティブな感じになるというか。

MO そうそう。ポジティブ。読書タイムみたいにすると背徳感が薄れるから。

辻󠄀本 自分の感覚と合ってないってことですよね。

MO そうですそうです。だからこのフォルダをひらくときに自分が抱く感覚をストレートに出していったほうがいいかなと思って、最初は「雑念」とかにしてたんですよ。

辻󠄀本 雑念!笑

MO ただでも、「雑念」っていうのもちょっと違うかなって思って、このフォルダをひらく時間が本当に自分にとって不要かっていうと、漫画を読んでちょっと楽しい気持ちになるっていうか、うん、そういうところもけっして無駄なものではないっていう気持ちだから。

辻󠄀本 むしろそれをやったことで他のことが進んだりすることもありますもんね。

MO そうです。一日頑張ったから寝る前くらいは全然仕事に関係ないこととか、そういうのをインプットして。

辻󠄀本 けど、「読書」ってほどじゃない。

MO そうそう。で「雑多」に落ち着いた、っていう。

辻󠄀本 それで「雑多」に笑

MO でも油断するとこの「雑多」もいっぱいいろんなものを突っ込んじゃうので、わりとその都度消しますね。

辻󠄀本 そうなんだ。そのタイミングで。

MO そうそうそう。なんか油断するとすぐにヤクザものの漫画読んじゃうんですよ。

辻󠄀本 笑 え、ヤクザものってどういう?

MO いままでで最悪だったのが、『闇金ウシジマくん』が一日何話まで無料みたいなアプリをいれた時に、寝る前にウシジマくんを読むっていう習慣ができてしまって。ほんとに一週間ぐらい嫌な夢ばっかりを見て。なんかわかんないけど人に追いかけられてるとか、すごい人から責められてて「なんでこんなことに!」みたいな夢をみるのが生活習慣みたいになってしまって。

辻󠄀本 生活習慣!

MO ウシジマくんを寝る直前に読む。夢でそれに近いものを見る。っていうのがルーティンになってしまったときに、もうこれは、たしかにわたしはウシジマくんのような世界観に興味ないかっていうと、あまりにも触れない世界だからちょっと興味なくはないんだけど、これがなくてはならないかっていうと、これはないほうがいいなってなって。

辻󠄀本 それはたしかに笑

MO 実際ちょっと支障があるし、寝汗でびしょびしょだったときとかもあったから。

辻󠄀本 そこまで!?

MO そこまでだったんですよ。ほんとうに。

辻󠄀本 たしかにあれ現実感あるこわさですもんね。

MO そうなんですそうなんです。もとは普通のOLやってた人が気づいたらみたいな。そういうのあったりとかするから、なんだろうな、感情移入しちゃってたのかもしれない。

辻󠄀本 笑

MO 続き気になりつつも、これは手放したほうがいいなと思って手放しましたね。

辻󠄀本 そのとき消したんですね。

MO そうです。思い切って消しました。

 

食欲物欲フォルダができるまで

辻󠄀本 これ「金融」はすごいわかりやすいと思うんですけど。やっぱり「食欲」と「物欲」。ぴったりな良い分け方だと思うんですけど、「食事」とか「買い物」っていうふうにすることもできるわけじゃないですか。ここをMさん的に「欲」でまとめたっていうのは、「雑多」の話にも近い感じですかね。

MO あれですね。それに関して言うと、一ページ目の中に、「サミット」っていうアプリと「タベソダ」っていうアプリがあって、サミットはスーパーのポイントカードで、タベソダはいわゆる生協のパルシステムの宅配アプリ、宅配っていうか注文するためのアプリで。これはわたしにとっては「食欲」じゃないんですよね。

辻󠄀本 そういうことか! たしかになあ。

MO なんでかっていうと、これは日常のなくてはならないもので、これをやらないと生活が成り立たない。そういう意味でこれは自分にとっては「欲」じゃないなって。

辻󠄀本 ある程度それは仕事というか家事の一環ですもんね。

MO そうです。そう、それとは分けて考えたいなっていうものが「食欲」のなかに入っていて。だからこっちはなくてもいいものが入ってるんですよね。中ひらくと、「マクドナルド」とか「かっぱ寿司」とか、「スタバ」とか入ってて。で、あと「クックパッド」も入ってるんだけど、クックパッドも結局日常では見ないんですよ。

辻󠄀本 ああ、そうなんですね。

MO そう。見ながら料理つくることなんてほぼなくて。その、休みの日とかにあまりにも他にやることがなくて、子供といっしょにクッキーでもつくろうかってなったときにひらくって感じなので、なんかそれでいうと余裕があるときにしかひらかないものかな。

辻󠄀本 ちょっと娯楽的に料理をする。

MO そうそうそうです。食べることについて考えたいとか、特別ないつもとちょっと違うことしたいっていうときに初めて使う感じ。

辻󠄀本 そうか。それで「食事」とか「買い物」とは違う分類名でやってるんですね。

MO そうです。

辻󠄀本 いやあ。良いですね。

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書籍はこちら→『neoコーキョー02 赤:アプリの地理学』

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